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大阪府 堺市高石市消防組合 浜寺消防署

 伝統産業と近代工業が交差する街「堺市・高石市」

大阪府の中央部南寄りに位置する堺市と高石市を守る堺市高石市消防組合。
昭和30年代後半から進められた大阪湾の埋め立て地に一大重化学工業地が完成。これにあわせ昭和44年12月21日に誕生したのが「浜寺消防署」です。
管内には「前方後円墳」として世界一の規模を誇る「仁徳天皇陵」があります。そしてかつては風光明媚な海水浴場として知られた大阪で最も古い公園の一つ「浜寺公園」は、臨海工業地帯の造成で趣をかえ、今では松と芝生につつまれたモダンな公園に生まれ変わり、(社)日本の松の緑を守る会の「名松百選」にも選ばれています。工業地帯に代表される近代的な表情に加え、歴史の足跡を数多く抱えているのも特徴のひとつです。
また、伝統産業として有名な自転車とその部品、刃物、敷物、線香などの地場産業は、ここ堺から全国に広まったものです。
職人たちの知恵と経験から生まれる堺の伝統産業は、脈々と流れる歴史の中で、培われ受け継がれた伝統の技と魂なのです。
【左】伝統産業の堺刃物。16世紀にポルトガルからタバコが伝わり、国内で栽培されたタバコの葉を刻む「タバコ包丁」が必要となり大量に作られました。江戸時代には幕府が専用品として「堺極」という極印を入れて全国に販売しました。
【右】日本で最初に製造された堺線香。選び抜かれた天然の香料の調合が特色で、香りの芸術品ともいわれています。

 使命は「臨海部の守り」と「安全な市民生活の確保」

臨海工業地帯を含む管内西部地域の消防体制の充実強化を目的に開署された浜寺消防署は、63名の人員とポンプ車4台、あわせて従来の堺消防署の所属であった旭ヶ丘出張所と、同じく茅の浦(大阪湾)の守り「消防艇・茅海丸」を傘下に業務を開始しました。
以来、臨海埋立地に国内屈指の臨海工業地帯、内陸部に市街地やニュータウンといった消防活動上厳しい環境の中、地域住民の安全確保のために日夜活動を繰り広げています。
現在では都市化の進展とともに生活様式の多様化、本格的高齢化社会の到来など、社会情勢は急速に変貌し、災害態様も複雑化大規模化の傾向を一層強めています。
それに対処すべく、職員数は110名となり、最新鋭の消防艇や多くの大型化学車・特殊消防車などを配備して万一の場合に備えています。浜寺消防署ではこれまでにも増して社会情勢に機敏に対応した予防行政の推進と、各種災害に対応すべく火災防御体制の確立、救急救助技術の錬磨を推進しています。
「“臨海部の守り”と“安全な市民生活の確保”が浜寺消防署の使命です。」と署長の大家健守消防監。職員一丸となり、今日も活動に当たっています。

浜寺消防署

世界一の規模を誇る仁徳天皇陵
堺市高石市消防組合の
マスコット「タッシー」
職員と家族から募集し、旭ヶ丘出張所の西岡消防副士長のキャラクターに決定しました。名前は人を助ける「タ」からイメージしてつけられました。火災予防活動や各種キャンペーンで大活躍しています。

点検のため車庫前に
所狭しと出された大きな車両たち

朝の交代風景と、交代後に行われる車両・資器材の点検
(大きな車両が多いだけに、点検も時間がかかります)

救急隊が配置されている
旭ヶ丘出張所

 巨大タンクが建ち並ぶ臨海工業地帯」

堺市と高石市は臨海コンビナートを中心に鉄鋼・石油化学などの重化学工業が盛んです。
臨海工業地帯には大規模な石油・天然ガス・LPガスのタンクが建ち並び、毎日大量の石油製品が原油からさまざまな工程を経て作り出されています。
このようなコンビナート地域では、何らかの原因で石油やガスに影響のある事故が起こった場合、大規模な災害に発展してしまう危険があります。そのためコンビナートを形成する各企業には、自衛消防隊などを持つことが法律によって義務付けられています。消防と企業の協力により、最近では大きな災害は発生していません。

旭ヶ丘出張所の職員皆さん

 消防艇 茅海

署の裏の浜寺水路に雄々しき姿で浮かぶ消防艇「茅海(ぼうかい)」。開署時に配備されていた双胴船から、平成4年2月に単胴船に更新されたこの消防艇は、5基の放水砲によりタンカーなどの船舶火災や、沿岸部での大規模な石油火災等に対応するほか、流出油の処理や水難救助活動を行うことができ、小型救助用ボートも積載されています。

浜寺消防署裏に停泊する 茅海

ドックでのメンテナンスを終え、放水訓練を行う茅海
平成7年に発生した阪神・淡路大震災の際は応援部隊の搬送に活躍しました。陸路では神戸まで5時間以上かかるところを茅海は1時間20分で移動可能で、神戸市消防局水上消防署へ向け延べ28回の人員および支援物資の搬送を行いました。

 堺・泉北臨海特別防災地区総合防災訓練

石油コンビナート等特別防災地区における火災、そして油流出事故などの未然防止と拡大防止を図るため、防災関係機関が協力し、防災体制の確立と防災意識の高揚を図ることを目的に、毎年1回開催されている総合的な防災訓練。
訓練は堺市高石市消防組合と堺・泉北臨海特別防災地区協議会(48事業所)の他応援協定を締結している大阪市消防局、泉大津市消防本部などおよそ10機関が参加する大規模なものです。日頃の成果を、消防と企業が連携して確認します。
タンク火災を想定し、大型高所放水車により消火活動が行われます。
消防隊員も放水銃により
消火を行います
防火服は輻射熱に強い
銀面仕様を採用しています

 新春恒例の消防出初め式

平成15年1月7日、堺市長曽根町の金岡公園野球場で、市民約2,000人が見守る中、消防職員460名と堺・泉北臨海特別防災地区協議会の自衛消防隊員(参加事業所8社)45名、車両38台などが参加して、消防出初め式が行われました。
式典に続いて化学工場災害を想定した消防隊訓練、救助隊員による三連はしご操法などが実施され、フィナーレには自衛消防隊と7消防署の団結を表した5色の水が一斉に放水され、新春の大空を色鮮やかに染めると、会場から大きな歓声と拍手がわきあがりました。

 通称「3点セット」などの大型消防車を配備!!

浜寺消防署の最大の特徴が「特殊」な消防車を多く配備している点。
海や川などから災害現場へ長距離大量送水し、消防隊の水利を確保するための「多目的消防水利システム車」や災害現場で使用する空気呼吸器やアクアラングなどの空気ボンベに圧縮空気を充填する「空気充填車」など、そうそうお目にかかれない車両が一堂に会しています。そして最大の装備が「3点セット」。
石油コンビナート等災害防止法により配置されるもので、大型高所放水車、大型化学車、泡原液搬送車の3台1セットで通称3点セットと呼ばれます。このような特徴的な車両が配備されているのも、万が一への備えなのです。

①大型化学消防ポンプ自動車へ泡消火薬剤を補給する泡原液搬送車 ②多目的消防水利システム車 ③空気充填車 ④タンク火災時、上部より大量の泡消火薬剤を放射する大型高所放水車 ⑤大規模な石油火災などに対処するもので、大量の泡消火薬剤を放射することができる大型化学車と積載された移動式放水車


Reported in 2003.