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保存される消防車

フォード消防ポンプ車 [青森県田子町]
フォード消防ポンプ車
GMC社ポンプ車改造梯子車 [広島県呉市消防局]
GMC社ポンプ車改造梯子車
広島県呉市消防局
進駐軍より払い下げを受けたGMC社昭和14年型のポンプ車を、国内メーカーが昭和32年に梯子車に改造した物で、油圧作動式を採用した我国最初の梯子車でした。高さは12メートル級でしたが当時の消火・人命救助に威力を発揮しました。昭和47年から市内入船山公園で保存展示していましたが、現在は市内の倉庫で第2の人生を待っています。

災害現場において人命救助や消火活動に活躍する消防車両たちは、配置された当時は最新鋭の第一線車であっても、耐用年数が過ぎると引退となって廃車の運命を辿ります。ほとんどの車両は解体されてしまいますが、一部の車両は海外で消防活動をする車両として生れ変わったり、公園等で子供達の遊技用に活用されたりもします。さらに博物館や資料館・消防本部内での資料、広報用に展示される消防車両もあります。

青森県田子町
三戸地方を大火の危機から救ったこのフォード車は昭和5年から見事な活躍を見せ、人々を勇気づけてきました。昭和45年まで走り続けたこの車両は、町内の車庫に長い間眠っていましたが、町政施行60周年を迎えた昭和63年に「フォード消防自動車保存会」が組織され、現役時代の勇姿を住民に披露し、各種イベントに活用されています。

今回はそれらの施設で保存展示されている懐かしの消防車両を紹介します。

海外では消防車両を文化財として位置付け、大切に保存されているケースが数多くあります。博物館や消防本部はもとより、色々な団体やクラブを始め、個人で所有している人も少なくありません。アメリカやフランス等では20台近く個人で所有しているマニアの人もいます。それらの消防車は今でも動くように整備され、消防関連のパレードや広報活動に参加して見る人の目を楽しませてくれています。日本でも時代と共に走り抜けていった消防車を、もっと保存する事によって消防の歴史を目で学ぶ貴重な存在となってほしいものです。

ニッサンポンプ自動車
ニッサンポンプ自動車 [神奈川県厚木市消防本部]
神奈川県厚木市消防本部
昭和10年代には国産の消防車両が登場し始めました。6気筒3600ccの乗用車にポンプを装備し改造して作られました。戦争中の当時、乗用車があまり生産されない中で作られたこの型の車両は、数が少なく貴重な文化遺産となっています。
レオ号消防ポンプ車
レオ号消防ポンプ車 [栃木県佐野市消防署]
栃木県佐野市消防署
署のホールに展示されているこのレオ号は昭和4年に佐野市で初めて購入配備されたポンプ車です。昭和45年まで活躍し、その後は消防団で保管されていましたが、有志によって復元修理が行われ、昭和58年頃から展示されています。
ダッジポンプ車
ダッジポンプ車 [茨城県下館市消防団]
茨城県下館市消防団
昭和11年にアメリカより輸入されたダッジブラザース社のポンプ車です。この車両は36年間にわたって下館の街を災害から守り続けたとても優秀な消防車両です。後部にはホースカーも積載しています。今でも放水出来るほど整備されています。

フォード消防車
フォード消防車 [熊本県消防学校]
熊本県消防学校
消防学校での教習資料用に使用されていた車両が保存されている所もあります。このフォードの消防車も戦前に輸入された一台だと思われます。長年たった現在もピカピカに磨かれており、ポンプ等の仕組の基本を知る貴重な資料となっています。
ベンツ社1935年30メートル級梯子車
ベンツ社1935年30メートル級梯子車 [愛知県名古屋市消防局消防学校]
愛知県名古屋市消防局消防学校
それまで使用していたイタリア製梯子車の老朽化に伴い、鋼鉄製のはしごの伸梯などをすべて機械式で旋回もでき、消防ポンプも搭載した梯子車をドイツより導入しました。この車両は1968年まで名古屋市民の生命と財産を守って来ました。
ニッサン180
ニッサン180 [東京消防庁消防博物館]
東京消防庁消防博物館
国中が戦時体制に突き進む中で、日産が全社一丸となって開発に勢力を注いで昭和16年に完成させたニッサン号180型です。戦時型とも呼ばれ当時の軍部からの要求にも応じた車両です。空襲下の東京で大活躍した一台です。

ベンツ消防ポンプ自動車
ベンツ消防ポンプ自動車 [岩手県水沢市消防署水沢市消防記念館]
岩手県水沢市消防署
水沢市消防記念館
この消防記念館にも長い間火の手から街を守って来た消防器材や消防車等が展示されており、消防の歴史が一目で判ります。この消防車は大正13年に輸入され昭和39年まで活躍しました。現在も記念館に大切に保管されている貴重な一台です。
シボレーポンプ車
シボレーポンプ車 [京都府京都市消防局]
京都府京都市消防局
昭和2年から平成元年まで京都大学の自衛用消防車として活躍して、その後大学の倉庫に眠っていました。ハンドル部分の破損がひどく復元に苦労しましたが、消防署員の手によって見事に修復され、走行や放水が出来るまでになりました。
ニッサン梯子車
ニッサン梯子車 [千葉県四街道市消防本部]
千葉県四街道市消防本部
平成6年に四街道市の消防資料館が完成し、昔の珍しい消防器材や消防車両等が展示されています。昔から使用されていたものを一堂に集め、市民の防火意識の高揚に役立てています。写真の車両は以前活躍していた18メートル級梯子車です。

くろがね号
くろがね号 [神奈川県小田原市消防本部]
神奈川県小田原市消防本部
昭和30年代は道路の整備状態が悪く、スタイルよりも頑丈なボディとタフなエンジンが求められていました。三輪自動車の一番の欠点はパンクで、予備タイヤを積んでおらず、前輪の取り外しには苦労したようです。熱心な職員によって復元された一台です。
マツダCTオート三輪ポンプ車
昭和27年式
マツダCTオート三輪ポンプ車昭和27年式 [大分県湯布院町九州自動車歴史館]
大分県湯布院町九州自動車歴史館
今から40年以上前の頃は、自治体消防や民間の自衛消防隊まで幅広い機関で、写真のようなルックスの車両が配備されていました。ハンドルは丸ハンドルではなく、オートバイのようなバータイプのハンドルで、運転の苦労も多かったと思われます。
いすゞTXタンク付消防車
いすゞTXタンク付消防車 [青森県八戸市消防団]
青森県八戸市消防団
八戸市消防団の倉庫には、昭和23年に配備されたいすゞのポンプ車が残されています。今でも人気が高いすゞのTXシリーズの一台です。非常に手入れがよくエンジンも快調で、今でも愛され続けている事が一目でわかる一台です。

マツダ三輪ポンプ車
戦後の復興の足音は三輪ポンプ車と共に訪れたと言われた程各地で普及しました。昭和30年代初めに製作されたこの三輪ポンプ車は、大磯町の消防団に配備され、小廻りの利く特徴を活かし地元の災害に活躍しました。その後小型四輪車の普及につれて急激に減少していきました。
神奈川県総合防災センター
神奈川県総合防災センター [マツダ三輪ポンプ車]
アーレンス・フォックス消防車1924年
東京消防庁消防博物館 [アーレンス・フォックス消防車1924年]
東京消防庁消防博物館
この車両が輸入された時代には、すでに馬引き蒸気ポンプは姿を消し、消防自動車の時代となっていました。前方には独特のポンプを搭載したスタイルで、現在もアメリカでは人気の高い一台です。戦時中も大活躍し、昭和21年に退役をしました。
スタッツ消防車1924年
スタッツ消防車1924年 [東京消防庁消防博物館]
東京消防庁消防博物館
甚大な被害を与えた関東大震災を契機に、消防力の不備が大火の原因の一つと言われていた当時の警視庁消防部の要求に応じて、消防力も充実するようになっていきました。大正13年に輸入されたこのスタッツ消防車は、昭和25年頃まで活躍した一台で、実に27年間も火災現場を駆け巡りました。
Reported in 2008