2001年9月、ニューヨークの世界貿易センタービルにハイジャックされた民間の旅客機が激突し、爆発炎上しました。 また、10月にはロシアの旅客機が墜落した事故に続いて、イタリアでも大型旅客機が軽飛行機と衝突し、倉庫に突っ込み炎上する事故も発生しています。 このように大量の燃料を積載した航空機は、ひとたび事故等で火災を起こすと、極めて危険な状況となります。このため、空港用化学車にも、高速化、高機能化、大型化が、従来にも増して要求されるようになってきました。 現在日本には、第一種から三種までと、その他を含めて多数の飛行場があり、それぞれの国(国土交通省・防衛庁)・都道府県等の自治体・在日米軍などが管理し、消防力の基準によって各地に様々な空港用化学車が配備されています。 乗用車並みの走行性能を誇り、間髪入れずに現場へ急行する事がある大型化学車には、大容量の水槽と泡剤タンクが装備され、大量の消化剤を泡放射できる能力を持っています。 今回は、その空港用化学消防車をいくつか紹介します。
オーストリアのローゼンバウアー社のパンターです。この化学車は走行用と放水用の独立したエンジンを搭載し、スピード・放水量共に国内最大の車両です。他空港でも今後配備される予定です。 (帯広空港)
羽田空港に配備されている東急車両製造の超大型化学車です。航空機のジャンボ化に対応して開発された車両で、410馬力のエンジンを2基搭載しています。 (羽田空港)
ふそうの車両です。当時は破壊救難消防車と呼ばれ、各地で見られました。災害時の放水に加わえ、乗客乗員の救助も出来るように、事故機の破壊(脱出口を設けるため)資器材を備えていました。 (旧広島空港 [現広島西飛行場] )
東急車両が米空軍のO-11型をモデルに製作した化学車で、羽田空港に始めて配備された車両です。廃車後も民間に払い下げられ、映画や宣伝にも使用されました。 (羽田空港)
最近の飛行機のジェット化に伴い、中規模の空港でも写真のような大型化学車の配備が進んでいます。この車両はモリタポンプ製ですが、2001年度も福島県や島根県に外国製の大型車両の導入が決まっています。 (秋田空港)
旧式の米国MB型化学消防車を見本に、東急車両が製造した空港用の消防車です。自衛隊では消火とともに救難活動が要求されるため、救助資器材も搭載されています。沖縄県の自衛隊那覇基地所属の車両です。 (那覇空港)
福岡市の消防出張所に配置されている、三菱ふそうの大型化学車です。まるで装甲車のような前面は、航空機事故に対応する際に、高熱から車内を保護する防護シャッターを降ろしたところです。 (福岡空港)
モリタポンプ製作の大型化学車です。この車両は、高速で先行する消防車が初期消火を行っている後ろから、1分間に約7,000リットル以上の放水能力を活かして、一気に消化し、火災の拡大を防ぐ役目を持っています。 (福岡空港)
空港内を管内に持つ成田市消防本部では、この三菱ふそうを始め、数台の化学車を配備しています。航空機事故に備えて、日頃から航空局との合同訓練を重ね、日本の玄関の安全に努めています。 (新東京国際空港)