FIRE RESCUE EMS > 消防情報 > 消防車両紹介 >

日本のはしご車


世界で最も古いはしご車は、1802年フランスで造られた木製の約16メートルの5段式で、ドイツの消防隊が使用したと言われています。(当時日本は徳川11代将軍家斉の時代)
日本では、大正3年(1914年)に馬で引く約18メートル級のはしご車と名の付くものを輸入し、当時の警視庁消防部に配置されました。ただし、明治時代において実用化はされていませんが、明治37年に大日本消防協会の技師が屈折式安全梯子という、台車にはしごを取り付け歯車による3段式の約10メートル位のはしごを発明していたようです。
その後、ベンツ社(ドイツ)のはしご車を輸入し使用され、昭和の始めの頃よりようやく国産化が始まり、昭和5年に広島県呉市の工廠でフォードの車体に4段12メートル級の機械式はしごを装備したはしご車が完成しました。これが国産第1号車と言われています。その後、森田ポンプ(現モリタ)や市原ポンプによって製作され、さらに日本機械が油圧式のはしご車を製作するようになりました。現在では、全国各地でその地域に合わせた多種多様のはしご車が活躍しています。
今回は、懐かしいはしご車から国内最大級のはしご車まで、全国の様々なはしご車をご紹介します。



ベンツメッツ梯子車 (東京消防庁)
昭和30年5月にドイツから輸入された懐かしいはしご車です。5連の30メートル級で、デパート火災を始め各種の災害に出場し、最も活躍したはしご車の1台です。現在も消防博物館に展示されています。

国内最長50メートル級はしご車 (大阪市消防局)
海外では50メートルを超すはしご車も数多く見られますが、国内では50メートル級が最も長いはしご車です。ただ最近の傾向としては、30メートル級が一番使いやすいようです。


ニッサンディーゼル30メートル級はしご車
(東京消防庁)
この写真のキャブを使用したはしご車は、全国的にもめずらしく数少ない1台でした。現在も圧倒的に日野製のキャブが多くニッサンは少ないと思います。

小型はしご車 (神戸市消防局)
今から10数年前から大型のはしご車では、日本のような道が狭い場所での作業が困難になってきました。そこで登場したのが、普通ポンプ車サイズの16~18メートル級のはしご車です。水槽を積んでいる車両や写真のように照明装置をつけた車両も見られました。

マギルスはしご車 (東京消防庁)
日本に初めて輸入されたドイツマギルス社(現イベコ)のはしご車です。当時は、はしごの部分が水平に伸縮し、マイナス角で操作ができる画期的なはしご車で非常に話題になりました。現在は消防職員の信頼も厚く、全国で50台以上が活躍しています。


ボンネット型はしご車 (山梨県峡北消防本部)
現在ではすっかり見られなくなったボンネット型の24メートル級はしご車です。当時の主流は当然このようなボンネット型で、屋根もなく雨の日の出場は苦労が多かったと思います。

小型はしご車 (北海道白老町消防署)
高層建物が少ない地方都市では、このような10メートル級のはしご車が活躍しています。小型なので道幅が狭い災害場所で力を発揮します。
メリーウェザー社梯子付消防車 (東京消防庁)
当時貿易摩擦を解消する上で、消防分野でもいすゞの車体にイギリス製のはしごを艤装した30メートル級のはしご車を製作しましたが、故障が多いために日本機械製のはしごに変更されためずらしいはしご車の1台です。

ベンツはしご車 (埼玉県大宮市 (現さいたま市)消防本部)
大型化学車等で有名なメーカー東急車両が輸入したメッツの30メートル級はしご車です。しかしメッツが他社に吸収されて、メンテナンス等で苦労しているようですが、現在も全国で7台が活躍しています。

先端屈折式はしご車 (東京消防庁)
このはしご車は30メートル級ですが、先端が約3メートル屈折させる事が出来るので、災害の際、ビルのフェンスや電線、看板、樹木等の障害物を避けて救助活動にあたる事が出来ます。


K201型はしご車 (西宮市消防本部)
トラッククレーン用のシャーシを改造して作られた40メートル級のはしご車です。当時は24メートル~30メートル級が主流でしたが、初めて40メートル級として製作された1台です。

特別救助隊専用はしご車 (神奈川県厚木市消防本部)
各地で救助隊がはしご車で多数編成されていた時期がありました。これは40メートル級のニッサンディーゼル車です。しかし、救助隊ではないので、積載救助器材は限られていたと思われます。

日野40メートル級はしご車 (東京消防庁)
昭和50年代に入って各都市で50メートル級のはしご車が製作されるようになり、ノッポ競争が始まりましたが、大都市東京ではビルの高さに追いつけず、40メートル止まりでした。

日機式梯子車 (秋田県横手平鹿広域消防本部)
東京の八王子市に工場がある日本機械のはしご車です。モリタ製のはしご車と少し似ていますが、こちらはニッサンのシャーシを使用しています。


特殊改造はしご車 (群馬県前橋市消防本部)
40メートル級シャーシですが、30メートルのはしごが取り付けられています。当時、消防署の車庫が低いため、40メートルのはしごを付けると入らず、このような型となりました。
クレーンシャーシはしご車 (神奈川県大和市消防本部)
小松のクレーンシャーシを使用したはしご車で、カニ走行の出来る車両です。30メートル級で、マイナス角まではしご部分を降ろせるので水難事故等にも適しています。