2015.09.26

消防本部・消防署FIRE REPORT,山口県

レポート#134 山口の空を翔る「きらら」。西の京の安全を守る山口県消防防災航空隊

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所在地/山口県宇部市沖宇部625 山口県消防防災航空センター

西の京「山口」の安全を空から守る。

山口県は本州の最西端に位置し、約6100平方キロメートルに及ぶ県域は三方が海に囲まれているため、フグなどの水産物、かまぼこなどの水産加工が盛んであるほか、瀬戸内海国立公園、秋吉台、北長門国定公園など多くの自然景観に恵まれています。昔から、数々の歴史上の舞台に登場し、西の京都と言われる大内文化、萩を中心とした幕末・明治維新の文化など往時を偲ばせる多くの歴史文化を今にとどめているのも特徴です。また、県土の7割を中山間地域が占め、平地が乏しく地形が錯綜し急傾斜地が多く、県内最高峰1337mの寂地山(じゃくちさん)を擁する中国山地により、瀬戸内海側の山陽と日本海側の山陰で気象などが大きく異なり、有人離島の数も全国で3番目に多いなどといった地理的特性があります。

山口県消防防災航空隊左:秋吉台/右:ふぐ刺し

 
こうした環境に対処すべく、空から安全と安心を守っているのが山口県消防防災航空隊です。同隊は平成12年1月に発足し、同年5月に消防防災ヘリコプター「きらら」の運航を開始。今年で運航開始から15年目を迎えます。

山口県消防防災航空隊山口県消防防災航空隊は、宇部空港内の山口県消防防災航空センターを拠点に活動しており、山口県警察航空隊(基地)が隣接している。

山口県消防防災航空隊
格納庫には「きらら」をヘリパッドまで機体を牽引するトーイングトラクターや、現場付近に陸路にて燃料や資機材を運ぶ搬送車両が待機している。

山口県消防防災航空隊
緊急対応
山口県消防防災航空隊では平成15年9月より医師や看護師を同乗させる救急活動「ドクターヘリ的運航」を開始し、救急対応を実施している。平成23年1月より山口県ドクターヘリが稼動しているが、ドクターヘリが対応できない場合(出動中や整備中など)には防災ヘリが出動する。

ヘリの運航は重量との戦いであり、時にはシビアな重量調整が必要となり、隊員の体重管理も重要である。そのため、隊員達は毎日体重チェックを行う。

山口県消防防災航空センターからの所要時間
山口県消防防災航空隊

山口県消防防災航空隊山口県消防防災航空隊
訓練施設
山口県消防防災航空隊
格納庫内には訓練施設が設けられており、ホイスト救出などの訓練を行うことができる。二階部分がヘリを模しており、降下の準備や、エバックハーネスを使った要救助者の救出訓練を行う。
他部隊との交流で交換したワッペンも展示されている。


緊急事態に備えろ!!

山口県消防防災航空隊は、県内の各消防本部から派遣された隊長以下8名の隊員で構成され、山口宇部空港内にある山口県消防防災航空センターで、いつ起こるか分からない緊急運航に備えて待機しています。派遣された隊員の任期は3年で、着任したらまず新人研修が行われます。各本部のベテラン救助隊員が集結していますが、ヘリコプターを活用した活動に関しては未知の分野。そこで、まずはヘリコプターを活用した活動に関する知識を一週間の座学で学び、その後三週間程度の時間をかけて実機での技術訓練などが行われます。

山口県消防防災航空隊
活動配備体制/航空隊員:5名、操縦士:1名、整備士:2名、運航管理:1名
山口県消防防災航空隊のみなさん。

山口県消防防災航空隊
フルボディーハーネスの上から安全ベストを着用。腰にはロープレスキューに必要となるプルジックコード、ウェビング、カラビナ、エイト環等を収納しており、山岳域での活動が多いため、登山靴や登山用スパッツ、ニーパッドを着装している。


充実の装備で、山口の空を翔るきらら

山口県消防防災航空隊

「きらら」の年間出動件数は約50件。

同隊が運用する「きらら」は、通常午前8時30分から午後17時15分までを運航時間としていますが、緊急運航時には、日の出から日没まで時間を延長して活動することもあります。年間の緊急運航による出動件数は約50件で、負傷者の救出や行方不明者の捜索を行う救助活動、負傷者の搬送や病院間の転院搬送を行う救急活動、また、林野火災の消火活動やコンビナート爆発事故の被害状況の調査といった火災防ぎょ出動や災害時の情報収集活動を行う災害応急活動があります。加えて、県内の緊急運航に留まらず、他県の要請により、隣県への応援にも出動することもあり、平成23年の東日本大震災の際には、緊急消防援助隊として出場しました。こうした緊急運航以外にも、市町の防災訓練に参加する等、幅広く活動し、着実にその成果を上げています。


山口県消防防災航空隊
出動要請を受け搭乗前に機体前方へ整列する隊員たち。

山口県消防防災航空隊準備が完了したら合図を送り、機体左側面から搭乗する。
山口県消防防災航空隊
山岳救助に際し、一番員(R1)が降下前の機内準備を行う。機内は音が聞こえにくいためアイコンタクトの徹底を図り、誰に話しているのか、聞いているのかを把握する。

山口県消防防災航空隊
降下隊員用ヘルメット
山口県では2~3年前よりヘルメットに小型カメラを装着し、活動の記録を行っている。この動画は事例検討会などで活用される。

山口県消防防災航空隊
様々な計器が並ぶコックピット。操縦士は右、整備士は左の座席に座る。

山口県消防防災航空隊
後部はドクターヘリと同様に大きな開口部が設けられている。「ドクターヘリ的運航」を行う際はここから傷病者を収容する。

山口県消防防災航空隊
機内は防災ヘリ仕様となっており、後部座席等は全て取り外してある。天井のリぺキットには自己確保用のスリングが準備されており、リぺロープをリぺキットに固定してエイト環により降下する。


山口県消防防災航空隊
バスケット担架の機能性と布担架の機動性を併せ持つバーティカルストレッチャー。


山口県消防防災航空隊山口県消防防災航空隊
減圧式担架

負傷者の全身固定を行いつつ、ホイストによる救出が可能な減圧式担架を活用。

山口県消防防災航空隊
●きららの主要性能
機種:川崎式BK117C-1/全長13.0m、全幅11.0m、全高3.85m/最大速度:278km/h、航続距離555km

 
山口県消防防災航空隊山岳遭難救助研修会
上)山岳救助対応力向上を目指し、国立登山研修所が行う山岳遭難救助研修会へ参加。全国から選考された消防・警察・自衛隊の隊員が山岳救助技術を習得する。
下)研修会での実技訓練。自衛隊とペアになり、実際の岩場にて確保や救出を実施する。

山口県消防防災航空隊山岳救助訓練
山岳遭難救助研修会にて学んだ内容を持ち帰り、全隊員に周知伝達を図るため、山林等で訓練を実施する。写真は草を使用し支点を作成している様子。

山口県消防防災航空隊デッチング訓練
ヘリコプターが海上に不時着した際の脱出技術を会得する講習会にも参加。実技ではヘリの模型に乗り、実際にプールへ着水させ、機体の反転後に脱出する訓練を行う。着水後に水が流れ込み訓練模型ヘリが反転。その後にシートベルトを離脱し、緊急用ドアから脱出する。

山口県消防防災航空隊山岳救助対応
山岳救助事案も多い山口県。写真は防府市の右田ヶ岳において負傷した男性の救助活動の様子。トライアングルハーネスにて縛着を実施し、ホイストで救出を図った。

山口県消防防災航空隊急流救助訓練
外部講習機関が実施するスイフトウォーターレスキューの訓練に参加。写真は川にロープを展張し、フェリーアングルにより要救助者を岸へ救出するテンションダイアゴナルを行っている様子。

山口県消防防災航空隊
スーパーバケツ
林野火災などに対し空中消火を行う際に使用する手動式散水消火用バケツ「スーパーバケツ」。吊り下げ式で容量は600リットル。現場ではこの消火用バケツに水を汲み、投水を実施。場合によっては海水等も使用する。
山口県消防防災航空隊
操縦士、整備士、運行管理の各スタッフは運航委託会社からの派遣スタッフとなる。

山口県消防防災航空隊
部品庫には、特殊なアイテムやストック部品、機体から取り外した座席などを保管している。
山口県消防防災航空隊災害種別に応じて必要装備をその都度積載するため、資器材は予め台車に載せてスタンバイさせてある。


AUTUMN 2015/FIRE RESCUE EMS vol.71
 

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