2016.01.14

レポート2015,広島県,消防団を中核とした 地域防災力充実強化大会

地域ぐるみで安心・安全を育もう ~みんなで減災!キーパーソンはあなたです~【前編】

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2013年12月に「消防団を中核とした地域防災力充実強化に関する法律」が成立し、2015年11月30日に広島県において第1回目の「消防団を中核とした地域防災力充実強化大会in広島2015」が行われました。今大会は地域防災の重要性について消防団をはじめ、医療や教育といった多様な方面での事例を元に、また昨年8月の豪雨により広島市で発生した土砂災害での被害や消防団の動きなどを発表することで今後の地域防災、減災に役立つための情報共有の場を目的としています。

開催は今回が第一回目となり、オープニングを広島市消防音楽隊が飾りました。広島県外からは約500人の来場者が訪れ、用意された1500席のすべてが満席となりました。立って傍聴している方も多く、それほどに地域防災への関心が高まってきていることが伺えました。

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プログラムは、防災意識等についての基調講演や事例発表、広島県呉市消防団はしご隊による「はしご乗り演技」が盛り込まれ充実した内容となりました。

『大規模災害と地域防災力』

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室﨑益輝名誉教授(神戸大学)による基調講演『大規模災害と地域防災力』では、防災意識の風化や減退の理由が「実用的な対策を後回しにする傾向」にあることを指摘しました。

室﨑氏は、神戸大学都市安全センター、消防庁消防研究センター所長関西学院大学災害復興制度研究所長を歴任。阪神淡路大震災を体験し、東日本大震災では発生直後から学生らとともにボランティア活動を実施しています。

「社会の脆弱化とは危険環境の肥大化、つまり災害に弱い地域や空間、災害危険区域の増大が原因のひとつであると言える。また、社会的つながりの衰弱も要因となっており、単身家族の増加と少子高齢化も脆弱化の原因の一つとして挙げられる。そこで必要なのは公助・互助の重要性であり、地域防災の強化こそ防災・減災に繋がる第一歩である。」と力強く言葉を結びました。

『広島市土砂災害時の女性消防団員による避難所での支援活動』

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「当日の朝、家の外の状況を確認すると土砂が膝の位置まできていた」と、広島市安佐南消防団女性消防隊隊長である西部美千代氏は、2014年8月豪雨によって起こった広島市土砂災害の体験を語りました。

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まずは他の消防団員の安否を確認した後、”消防団として何をすれば良いだろう”という思いに駆られ、同氏の率いる安佐南女性消防団は自主的に消防署に集まったそうです。ですが、消防団として「大規模災害の経験」も「災害後の支援」も未曾有のことであり、状況を把握するのにやっとだっと振り返ります。

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最初は戸惑ったものの、女性消防隊としてやれることを考え、行動を起こしたのが避難所の衛生面への配慮だったそうです。西部さんは広島市安佐南区緑井にある避難所になっていた佐東公民館に赴き、一日に何度もゴミ捨てをし、生ゴミから出る異臭や集まる虫などを排除。トイレの清掃も行い、少しでも避難者が快適に過ごせるように心がけました。避難所を清潔にすることは病気の蔓延を防ぐことにも繋がります。名簿を参考に避難者の体調管理なども行いました。

続々と届く救援物資から使えるものを仕分けし、洋服についてはそこから更にサイズや種類で分けていきます。それらの洋服をまるでブティックのように陳列することで、被災者は自分に適した洋服を一目で見つけることが可能となり、その配布所は”ブティック佐東”の愛称で親しまれていたそうです。

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また、公民館に届いた200個のダンボールベッドを全員で組み立てる体験もありました。数の多さに苦戦するも誰一人と小言を漏らさず完成した時は達成感と同時に「絆が芽生えた」と、当時の写真をスクリーンに映しました。

夏場とはいえ公民館のフローリングの床に就寝するのは身体的にも負担がかかります。ダンボールベッドの導入によって避難所生活は快適さを手に入れ、高齢者からも「起き上がるのが簡単だ」と、好評だったとのことです。

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情報が錯綜しないように炊き出しの場所や入浴できる施設の案内などを一つひとつ掲示するような”女性ならでは”の細やかな気配りで被災者の不安を取り除く活動を続けたところ、被災者からは、「また来てくれた」「笑顔に救われる」といった温かい言葉が向けられ「被災者の方々の笑顔を見ることができたのが嬉しかった」と発表を結びました。

『災害時の地域医療』

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日本医師会・桑原医院の桑原正彦院長は、「今回の災害(2014年 広島市土砂災害)を受け地域医療として、二次病院、地域包括ケアセンターやその他公的機関との連携を密接に行う必要性があり、また地元の消防団の訓練にも参加すべきだと感じた。震災発生直後からDMAT(災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム)などの医療チームの支援までには時間がかかり、その間の中軽症患者対応の空白時間を地域医療で補わなければならない。地域医療が行えることにも限度があり情報共有の大切さを考えるべきである。」と経験に基づいた視点で課題定義しました。

>>【後編】を読む

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