2022.06.29

消防ヘルメット消防ヘルメットFIRE HELMET COLLECTION,消防ヘルメットコレクション

命の絆No.75 アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ベンチュラ・カウンティ オックスナード市消防

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命の絆 消防ヘルメット

消防ヘルメットコレクションNo.74

THE BOND OF BROTHERHOOD
助けを求める声があるならば、いかに過酷な災害現場であっても身を投じていく消防士たち。

時代や国境を超え、すべての消防人の心にある博愛の精神が彼らを突き動かす。隊という名の“家族”が、危険な現場で協力し合い“人命救助”という任務を成し遂げる。

「消防ヘルメット」はそんな彼らの活動を支え、危険から身を守る盾となってくれる。現場には要救助者、仲間、そして己の命をつなぐ博愛の絆があり、その象徴が消防ヘルメットといえるであろう。

 
命の絆No.75 アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ベンチュラ・カウンティ オックスナード市消防
フェニックス・テクノロジー社 モデルP952 ポリカーボネート製 ファースト・デュー・ファイアファイターヘルメット

 
オックスナード(OXNARD)市はカリフォルニア州南部、ロスアンジェルス北西のベンチュラ・カウンティの中心都市である。市域は102平方キロメートル。東方には肥沃な平野が広がり、入植者によって苺の生産が成功して現在では野菜の供給地としても知られている。活断層であるサンアンドレアス断層に近く、またもう一つのオークリッジ活断層にいたってはサンタクララ川をまたいで、西方のサンタ・スザーナ山脈からオックスナード平原を横切り、さらに太平洋のサンタバーバラ海峡にまで及んでいるため地震が多く、1994年1月17日にはマグニチュード6.7の「ノースリッジ地震」があった。

元来、この地はネイティブアメリカン、チュマシュ族の居住地であったが、1542年には一時的にスペイン領となっている。発展を遂げたのは1870年代のことで、ロスアンジェルス南東のチノで砂糖大根を栽培していたヘンリー・オックスナードがクリスタルシュガー製造工場を建設したことに始まる。これにより生産品を搬出するための鉄道が建設され、日本人、中国人、メキシコ人の入植も進んで町が形成されていくこととなった。市として独立する際、砂糖生産が主な産業であることから市民は‘SUGER’のギリシャ語読みである「サガリ」を望んだが、砂糖工場の経営者が一族のファミリー名を使うよう意見を申し入れ、オックスナード市と名付けられた。

オックスナード市がさらに繁栄していった背景には、さまざまな拠点や交通機関の影響が大きい。市の太平洋岸には大型船舶が接岸できる入江があり、近代に入るとアメリカ合衆国海軍がポート・ウイニー、およびポイントマグーという二つの基地を設けた。次いでロッキード社のバーバンク工場、ユニオンパシフィック鉄道が作られ、近年になるとアムトラック鉄道、グレーハウンド長距離バスの経由地となり、現在は市内鉄道のメトロリンクも走行するなど南カリフォルニアの要衝として発展し、人口も20万人に達している。

消防史では1889年、ボランティアによって第1エンジンステーションが設置され、翌年にホースカート(輅車)、フック&ラダー・ワゴン車も配置。さらに中国系移民街近くに第2エンジンステーションが設けられ、1901年にホースカートが配置された。1908年にはシーグレイブ社の馬びきケミカル・ワゴン車が配置され、翌年には新ケミカルエンジン(化学泡)車が配置されている。1916年、電動シーグレイブポンプ車も導入。現在では87人のプロフェッショナル職員によってオックスナード市消防が組織され、7消防署所が設けられている。

紹介するヘルメットは、元サンタ・クレメンテ市消防局長のロニー・コールマンとカリフォルニア州政府消防訓練担当副部長のレイ・ラッセルの両名が1972年に起業したフェニックス・テクノロジー社の「ファースト・デュー・ファイアファイター(FIRST DUE FIRE FIGHTER)」モデルP952である。人間工学を重視し、軽量かつ熱、感電、薬品、衝撃等への耐性能力が高い新感覚ヘルメットとして最初に世に出た製品で、全米防火協会(NFPA)の規格基準およびISO認証基準の両方をクリアしている。

高温サーモプラスチック材で一体成形された黄色のシェルに顔面保護用シールドが外付けされ、耳と首頚部はノーメックス難燃繊維でフラップカバー状に覆われている。ライナー、ハンモック、あご紐はいずれも新繊維だ。両サイドに貼られた3M製反射テープの上にある緑色の数字「14」は隊員識別ナンバー。正面のエンブレムはクラシックな赤い消防ヘルメットで、白いフロントピースに描かれたセントフローリアヌスクロスの中央に、登録番号「1684」が輝く。クロスの上下で弧を描くように記されるのは「IAFF LOCAL(インターナショナル・アソシエイション・オブ・ファイア・ファイター/アメリカ合衆国およびカナダ消防職員組合)」の登録番号だ。その下には「CITY OF OXNARD」とデザインされた金文字が、また顔面保護シールドの下方にも赤い波型の中に「OXNARD CITY F.D.」と黄文字で書かれている。

1983年製のこのヘルメットは、オックスナード市消防の元職員であるボブ・ブラスティノ氏から1985年1月22日に贈られた。珍しいメーカーの貴重なヘルメットである。

[過去の主な火災]
1905年中国系住民街のレストランが焼失。1911年製粉所火災。1920年、サウス・カウンティガス、デニフェントテーラー(衣服製造業)、ウェルス・ファーゴ(輸送業)が焼失している。1922年には、カリフォルニア硫黄、オックスオペラハウス焼失と、大きな建築火災があった。

PROLOGUE 災害現場で活動する隊員たちの姿で、ひときわ目を引く存在が「ヘルメット」である。
戦闘用の兜をルーツに持つヘルメットの目的は、衝撃から頭部を守り、直接的な負傷を防ぐためにあるが、国によりさまざまな特色を見せ、性能やそれにともなう形状、デザイン、用いられる素材は時代や環境とともに進化を遂げ続けている。消防で用いるヘルメットも、“災害”という敵から“消防士”という戦士を守るための“防具”であるといえる。

消防におけるヘルメットとは、要救助者や仲間の命を結ぶ重要な存在である。災害現場では突如倒壊物が襲い掛かってきたり、足場の崩れ、転落の危険に晒される。もし頭を打ち意識を失えば、要救助者の生命は守れない。隊員自身もさらなる悲劇に見舞われないとも限らない。消防ヘルメット一つひとつにはストーリーが宿っている。世界の消防が使用した「ヘルメット」から、郷土を災害から守ってきた消防士たちの魂を伝えていく。



07|08 2022/FIRE RESCUE EMS vol.103

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