2018.01.15

消防本部・消防署FIRE REPORT,消防車両,石川県,訓練

FIRE REPORT #146 スピーディーな活動を実現する災害対応支援システム

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能美市は石川県南部の加賀地方に位置し、西部は日本海に面する。雄大な白山を源とする石川県最大の手取川が北部を流れ、近年では金沢市のベッドタウンとして人口も増加している。
その能美市全域の安全を守る能美市消防本部は1署2分署体制。管内には海・山・河川・鉄道・工業地帯があることでさまざまな事案が想定され、それに対処できる訓練と装備資機材を整えている。平成29年度から市単独消防となったことや世代交代が進み若い救助隊員が増えたこともあり、過去の事案での活動内容や反省点等を次世代に残して経験値を保つために事後検証できる仕組みを導入。活動マニュアルや教育プログラムの充実もはかるなど、常に進化を求める。また、広報活動にも積極的に取り組んでおり、平成29年7月2日には「能美市防災フェスタ2017」を開催。市民約1万人が足を運んだ。平成29年9月1日現在、83名の職員がいかなるときもスキのないスピーディーな災害対応をめざして各分野で奮闘している。

消防本部 寺井消防署

消防本部、寺井消防署、能美市防災センターが一体となった新しい庁舎は平成28年5月に完成。防災センターには見学施設も設けられており、見学者は地震や強風、消火の体験もできるようになっている。

急流河川でのスイフトレスキュー訓練
雪中救助訓練
能美市防災フェスタ2017_01
能美市防災フェスタ2017_02

災害対応支援システム

災害対応支援システム01

新庁舎完成と同時に運用が開始された高機能消防指令センター。通報受付から出動隊の現場到着までの時間がさらに短縮され、的確な情報伝達や効果的な活動支援が実現した。担当職員は導入前5年間にわたり事例研究や研修を重ねたという。

災害対応支援システム02

センター正面の多目的情報表示盤は3画面構成であり、地図や支援情報、屋外カメラ映像、放送中のテレビ映像などをタッチパネルで任意に切り替えて表示することが可能。

災害対応支援システム02

石川県MC協議会が定めた救急通報時の口頭指導要領をITツール化した「TCPR Support Tool」。通報内容にしたがってクリックするだけで、誰もが同様の高いレベルで処置方法などを指導できる。このツールは職員が独力で開発したもので、日本消防協会消防防災科学技術賞を受賞した。バックアップとして従来の書類運用は常に準備される。

災害対応支援システム02

災害対策会議室では情報画面を壁面に投影し、大規模な災害時に情報を集約して検討することができる。壁面は全面がホワイトボードになっており、投影された映像に重ねてマーカーで手書きができるほか、余白スペースをフルに活用してメモや掲示板としても利用する。

災害対応支援システム02

従来の大地図に代えてNTTコムウェア製の「タンジブル災害対策支援システム」も導入。テーブル上に電子地図を投影し、災害情報、水利情報等をアイコンで即座に配置できる上、デジタルペンで進入経路等を手書きしてそのまま保存もできる。また、数値情報を表計算してグラフ化し、資料として活用することも想定されている。

災害対応支援システム02

蒸気高温熱気室

蒸気高温熱気室01

油断すると火傷を負うほど高温の水蒸気や視界を奪うスモークを発生させられる訓練施設。仕切りは可動式で、経路不明等のさまざまな状況を再現できる。

蒸気高温熱気室02
蒸気高温熱気室03

高温下、障害物代わりのロープを手探りで避けつつ要救助者を検索し救助する訓練(写真はデモンストレーション)。ときには目隠しまでして完全に視界を塞いだ上で実施される。経験値の浅い新人隊員にとっては実際の現場状況を擬似体験できる貴重な機会となる。

立坑救助訓練室

立坑救助訓練室01

新庁舎にはさまざまな訓練設備が整う。上の写真は工場内の閉所やマンホール等からの救助を想定できる立坑救助訓練室。能美市消防本部は救助隊・警防隊・救急隊のスムーズな連携活動が特色である。

訓練塔

立坑救助訓練室02

同じく庁舎側面に設けられた訓練塔での閉所救出訓練の様子。訓練塔では防災センターの見学者へロープブリッジ訓練なども披露しており、消防活動への理解促進の一助となっている。

救急車両洗浄室

救急車両洗浄室01
救急車両洗浄室02

血液汚染等が生じた場合、救急車をそのまま洗浄室内に入れ洗浄できる設備①。洗浄に使用する水はオゾン水であり、それだけで殺菌作用を発揮する。また、衣類等はオゾン空気発生装置のある滅菌室で殺菌を行う②。各部屋の自動ドアは病院の手術室と同様、足で操作する方式。手がふれることによる二次汚染を防ぎ、両手がふさがった状態でも開閉できる③。熱に弱い薬品類保管のため、救急準備室の室温は常に一定に保たれる④。

能美市消防本部の消防車両

能美市消防本部の消防車両01

大規模災害発生時の援助隊派遣のために平成27年に配備された低床4WDの支援車Ⅲ型。コンパクトなボディながら20名が乗り込むことができる。後部はコンテナとなっており、通常時は水難救助用の資機材を搭載して待機、水難救助事案にも投入される。車内でウエットスーツへの着替えができるなど、現場での利便性は高い。

能美市消防本部の消防車両02

現場での指揮統括を担う指揮車。混乱した災害現場において指揮車であることが一目でわかるよう、リアハッチ内部に青色LEDの点滅灯を装備。ルーフ上の赤色警告灯は薄型とし、車両をスマートな印象に見せるとともに、ウインカーと連動した点灯パターンで緊急走行時の安全に寄与する。

オリジナルウェア
能美市消防本部のユニフォーム(Tシャツ)と車両用ステッカーはシグナルのデザイン。モチーフとしてあしらわれたサザンカには、寒い季節に負けることなく花を咲かせることから「困難に打ち勝つ」という意味があり、災害に立ち向かう消防士の強い心と体を象徴したデザインとしている。
【取材協力】
能美市消防本部/石川県能美市寺井町ク9番地1

WINTER 2018/FIRE RESCUE EMS vol.80
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