今年で45回を迎える全国消防救助技術大会が、平成28年8月24日(水)に開催されました。この大会は､日ごろ鍛え抜いた救助技術を披露し､互いの知識や技術を交換することで､複雑多様化する災害現場に対応できる高度な救助技術と強じんな体力や精神力を養うことを目的として年に一度開催されています。今年はおよそ1,000名の隊員が陸上・水上計14種目の訓練と2種目の技術訓練を披露しました。

会場となったのは、愛媛県松山市の松山中央公園。四国に全国消防救助技術大会が招致されるのは今年度が初の試みです。
陸上の部は運動広場、水上の部はアクアパレットまつやまで実施されました。

陸上の部会場　運動広場

水上の部会場　アクアパレットまつやま

大会シンボルマーク

大会シンボルマークは、自分たちが学び、暮らす街に愛着と誇りをもった作品となるよう期待を込めて、松山市の『河原デザイン・アート専門学校』の協力を得て制作されたものです。本大会と開催地「愛媛」のイメージカラーである”ORANGE”が持つ”温もりと安らぎ”に、四国の海、瀬戸内と黒潮の“静”と“動”を協調させ、愛媛の県鳥である「コマドリ」をモチーフにして消防救助隊員の力強さと躍動感を表現しています。
また、今大会スローガンは、『 魂 ～ ORANGE IMPACT ～ 』。全国各地から選抜された精鋭の消防救助隊員が、全国有数のみかんの産地、“ORANGE”の地である愛媛県の松山市に集います。この地で、消防救助の象徴である“ORANGE”を身にまとう隊員が、故郷や家族への想いを胸に、「大切な命を守る」という崇高な使命の“魂”をぶつけ合う“IMPACT”で、人々の心に感動を与え、消防へのさらなる期待と信頼が深められることを願うものです。

開会式に現れた愛媛県･香川県･広島県の防災航空ヘリ

左から、愛媛県･香川県･広島県の防災航空ヘリ。開会式上空に3機がそろって登場し、息の合った編隊飛行を見せてくれました。広域連携強化のため瀬戸内の安全を空から守る、愛媛県消防防災航空隊｢えひめ21｣、香川県防災航空隊｢オリーブⅡ｣、広島市消防航空隊｢ひろしま｣の3機です。
消防防災ヘリコプターの任務は、救助活動をはじめ、救急､空中消火､情報収集､物資輸送などの多岐にわたっています。また、広域応援では、海外での災害に出動する国際緊急援助隊の一員として、また、国内の大規模災害では、緊急消防援助隊として、数々の出動実績があります。そして、今後発生が懸念される南海トラフ巨大地震や首都直下型地震などにおける災害対応の核となる部隊としての活動が期待されています。

特殊災害に備える！松山市消防局高度救助隊による技術訓練の実演

定められた手法や資機材に縛られることなく、創意と工夫をもって安全かつ的確、迅速な活動を目ざす｢技術訓練｣プログラム。午前中のプログラムでは、松山市消防局高度救助隊により特殊災害訓練が実演されました。

想定は、工場内の地下ピットにおいて化学物質が漏えいし、点検中の作業員1名が取り残されているもの。進入･救出の有効な経路はなく、上方には支点となり得る強固な支持物はない状況とされています。
レベルA装備の進入隊員2名と、レベルB装備の活動拠点隊員4名にわかれて作戦を実行していきます。

高所支点作成では2系統のシステムを設定し、確実･迅速な活動を実現するとともに異常時･緊急時に備える

化学物質Xが充満する地下施設へ、化学防護服と専用安全帯を着用したレベルA隊員2名が進入開始

無線機とボディランゲージを併用し、より安全性の確保された意思疎通を図る

発見した要救助者に避難用フードを着装し、搬送･救出

要救助者を搭上に脱出させたら、化学物質Xの漏えい箇所へ戻り、破損パイプの補修を行う

化学物質Xの更なる漏えいが無いことを確認したのち、隊員2名も搭上へと脱出し訓練は完了する。これらの一連の作業は20分以内に行われる

救助活動･消防活動を体験できるコーナー

子どもたちが救助活動や消防活動を体験できるブースも充実！猛暑も吹き飛ばす楽しさいっぱいのキッズレスキュー体験コーナーでした。

ロープ降下体験

ロープ渡過体験

放水体験

消防車乗車体験

大会フォトギャラリー

訓練の様子や、会場でお会いした皆様、会場で行われたさまざまなパフォーマンスのフォトギャラリーです。快く撮影に応じてくださった皆さま、Signalスタッフを見かけてお声かけをくださった皆さま、まことにありがとうございました。