2016.09.13

消防学校FIRE REPORT,愛媛県,消防学校

FIRE REPORT #138 我ら生涯消防人 第7巡「愛媛県消防学校」

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「魂」のスローガンのもと、
「命を救う」という意識を養う

第55回初任教育訓練を実施

 
愛媛県消防学校は、瀬戸内海に臨む松山市勝岡町にあります。昭和38年、松山市道後に開校し、消防職員、消防団員の教育訓練を実施してきました。平成2年に道後から現在地に移転。延べ約49,000人が教育訓練を受けてきました。敷地面積は学校敷地9,362.83㎡と大規模訓練場21,125.00㎡で、3階建ての本館、寮棟、1階建ての屋内訓練場、地上8階地下1階建ての訓練塔、地上6階建ての補助塔を完備。4月に入校した新規採用消防職員の55回生58名(すべて男子)が、4月から9月まで初任教育を実施しました。

校訓
校訓は「職責の自覚」「厳正な規律と団結」「心身の鍛練」の3つで、これを胸に訓練生たちは日々切磋琢磨して教育訓練に励んでいます。通常、午前は座学、午後は実技訓練を行い、知識と技術の習得に努めています。
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愛媛県消防学校では、毎年、担当教官がスローガンを決めており、一昨年は「勢」、昨年は「氣」そして今年は「魂」と定められました。教務課長、教官4名の計5名で訓練生を指導。今年の訓練生は平均年齢20.3歳と比較的若く、18~19歳が半数以上を占めているのも特徴です。

「命を救う」という使命を植え付ける

 
訓練生は第1小隊の第1分隊、第2分隊、第2小隊の第3分隊、第4分隊の4つに分けられ、訓練を行います。「人命救助」という意識を植え付けることが学校の使命と考え教育訓練が行われ、小さなミスも許されないので、自ずと指導は厳しくなります。教官は「ここでやっていることは、たかが訓練であり、現場はもっともっと厳しい。現場で消防職員が弱っていては人の命は助けられないぞ!」と徹底的に教え込みます。
 
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最近は、県職員をはじめ松山市、今治市などの要請により、一般行政職員に対する訓練も行っています。新採職員や2~3年を経た職員に規律の重要性や統制のとれた行動を身につけさせ、和衷協同して職務を進めるためです。災害時には、市職員は最前線で活動しなければならず、「改めて見直すことができた」という声が多いようです。「人の命を守る」という意識を高めることは、消防職員のみならず、一般の行政職員にとっても大切な使命です。
 

刺激し合い、スキルを磨く山口県消防学校との合同研修

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愛媛県消防学校の初任教育では、毎年、山口県消防学校(山口市)へ出向き、合同研修を行っています。今年で早や6回目。愛媛県消防学校にはプールがないため、山口県消防学校で水難救助などの訓練を行うと同時に交流を図ります。訓練生たちは、この合同研修で大いに刺激を受け、技術を磨き消防の絆を深めるとともに、教官にとっても教育技法の向上に役立っています。

厳しい訓練を乗り越えて秋から現場に赴く

 

 ロープブリッジ渡過

 
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「イチニッ!イチニッ!」と声をかけながら、訓練塔から補助塔に掛けられたロープを往復。教官が拡声器で指示を与えたり、ゲキを飛ばしたりと、大きな声が響きます。訓練生たちの額には、汗が噴き出しています。訓練当初は落下していた訓練生たちも、訓練に慣れると、次は少しでも早く救出できるようにと、さらに技術を磨いていきます。
 

 消防活動訓練

消防活動訓練は、実際の火災現場を想定し、現場到着から放水までの流れを身につけます。放水訓練は、ポンプ運用と同様、消防の基礎なので、身体で覚え込むまでたたき込まれます。このうち応用訓練では、県内全消防本部と連携し技術支援を受け、現任消防職員による現場活動技術の習得に努めています。訓練生持ち込みの防火服の背中には所属する消防本部名が入っており、それそれが所属する消防本部によって、色やデザインが異なっています。

 救助訓練

 
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「あと1カ月経ったら現場へ行くんやないんか?基礎身につけて現場活動するんやないんか?緊張感ない訓練すんなや!」。教官のゲキに訓練生たちの顔も真剣さを増します。
 

 横坑救助

 
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救助員と確保員に分かれて救出。救出確保員が出口までの距離を知らせるため、「4m!」などと大きな声で呼びかけます。「要救助者を救助するための結索方法をきちっとマスターせいっ!」と教官の大きな声が響きます。
 
訓練の締めくくりは過酷な体力向上体操
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訓練を締めくくる体力向上体操。厳しい訓練の後に腕立て伏せやかがみ跳躍などが盛り込まれた体操を行いますが、かなりハード。「声が出てない!自分が緩んどると思ったら自分で上げてく!現場では誰も注意してくれんぞ!」と教官の厳しい声が飛び交います。さらに落ちている訓練生には教官が歩み寄り、徹底的に叱ります。訓練生たちも「全員(声)出してないぞー!」「負けんな!」「上げるぞー!」とありったけの声を絞り出し、仲間を鼓舞します。
 

消防職員の自覚を徹底的に刷り込む

 
教官
初任教育に際して心がけているのは、消防職員としての自覚を持たせること。55回生は「魂」というスローガンを掲げ、訓練を行っています。4月、何も知らない、わからないで入校してくる訓練生たちが、約半年で成長していく姿を見られることが仕事のやりがいです。これから消防職員をめざす人は「ただまっすぐ」な想いを持って来てください。
教官(主担当) 佐伯 政好

無我夢中!規律の大事さを痛感しています

 
総代
大学卒業後、就職したのですが、どうしても消防職員の夢を諦めきれず、27歳で合格、現在は28歳で最年長になります。若い訓練生が多いため、最初は年齢差を痛感していましたが、今ではみんなで意見を出し合い、考えることができる良好な関係を築けています。ここでは、一つひとつ吸収していくことで精一杯なので、所属に帰ってから先輩の姿を手本にして、将来像を描いていきたいと思います。
第55回初任教育訓練生(総代) 髙井 翔伍
 

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