2020.04.16

消防ヘルメットFIRE HELMET COLLECTION,消防ヘルメットコレクション

命の絆No.63 アメリカ合衆国 オレゴン州 ポートランド市消防局

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命の絆 消防ヘルメット

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THE BOND OF BROTHERHOOD
助けを求める声があるならば、いかに過酷な災害現場であっても身を投じていく消防士たち。

時代や国境を超え、すべての消防人の心にある博愛の精神が、彼らを突き動かせる。隊という名の“家族”が、危険な現場で協力し合い“人命救助”という任務を成し遂げる。

「消防ヘルメット」はそんな彼らの活動を支え、危険から身を守る盾となってくれる。現場には要救助者、仲間、そして己の命をつなぐ博愛の絆があり、その象徴が消防ヘルメットといえるであろう。

 
No.63 アメリカ合衆国 オレゴン州 ポートランド市消防局
EDブラード社 ポリカーボネート製 「ハードボイルド」ヘルメット

 
アメリカ大陸北西部の太平洋沿いに位置するオレゴン州において、ポートランド市は最大規模の都市であり、陸路、海路、空路いずれも重要な結節点である。気候は温暖でバラの栽培でもよく知られ、札幌市とは姉妹都市である。

開拓時代を経てこの土地がポートランド市として成立したのは1851年2月8日のこと。消防史については、消火、用具の搬送、後始末を請け負う保険会社による消防カンパニーから始まった。1768年ファイア・ワーズ社、1787年ネプチューン社、1794年ヴィジラント社、1827年キャタライト社、ポートランド社、アラート社が設立され、手桶で消火活動をしていたが、やがて1830年デリューズ社、ハイドローリアン社、ナイアガラ社によって腕用ポンプが用いられ始めた。

市民の要望による公的消防機関の設立は1831年のことで、4年後に部隊運用が開始された。蒸気消防ポンプの採用は1859年11月21日、自動車消防ポンプは1916年となっている。以降、市域の拡大にともなって消防の規模も大きくなっていったが、第二次世界大戦と朝鮮動乱後の不況で1957年から1963年にかけて整理統合を行って近代化を図り、ディヴィジョン数は5から4へ、消防署数は38から30へと変遷。1980年にはEMT制を採用して高度救急医療体制を構築し、1988年には名称も「ポートランド・ファイア・デパートメント」から「ポートランド・ビューロー・オブ・ファイア・レスキュー・アンド・エマージェンシー・サービス」へと変更された。

今回紹介するヘルメットは近代化の過渡期、1970年代に第2ディヴィジョン第8バタリオンに所属していたエンジン8(第8ポンプ車隊)のバタリオン・チーフを務めていたファイア・キャプテンが着装していたもの。第8ポンプ車隊は1926年創設以降、今日まで活躍する重要な消防隊の一つで、ヘルメット正面のフロントピースの数字がそれを示している。カリフォルニア州サン・フランシスコ市にあるEDブラード(ED BULLARD)社がポリカーボネートを一体成形して世に出した「ハードボイルド(HARD BOILED)」モデルで、当時アメリカ合衆国の中西部で広く採用されていたが、今やヴィンテージ・ファイア・ヘルメットとも称されている。白色で丸味のあるやわらかな曲面デザインの帽体、長い後部庇、新素材の軟質合成樹脂製のライナーを持ち、頭頂部にある3筋のコム※が特徴的。帽体正面には白色皮革製のフロントピースが真鋳のピンで固定されている。製造年は1958年前後で、当時のメーカーカタログには、赤色、黒色、エンジ色のモデルが掲載されている。

このヘルメットはオレゴン州アルバニー市消防局に勤務していたスタン・パーカー消防士から1982年2月に贈られた。それ以前の1976年、オレゴン州立大学のラ・レイ・バーナー教授が筆者宅へホームステイしたことがあり、その友人がパーカー消防士だった縁でいただいた品である。

※3筋のコムは1961年ごろに登場した日本の赤尾製P-3型ヘルメットにも見られるが、これは後部庇の短いしころ付で、ハードボイルドFH911型モデルに似ていた。

PROLOGUE 災害現場で活動する隊員たちの姿で、ひときわ目を引く存在が「ヘルメット」である。
特徴的なデザインにはさまざまな機能が秘められており、頭部保護という同じ目的を持ちながら国によっていろいろなパターンを見ることができる。
そもそもヘルメットは軍事用として誕生し、古くから頭部に直接加えられる打撃力を減少し、直接的な負傷を防ぐことに重きがおかれてきた。後に用途ごとに進化を続け、使用される環境によって求められる性能やそれに伴う形状や素材の変化を見せてきた。
消防で用いるヘルメットも、“災害”という敵から“消防士”という戦士を守るための“防具”であるといえる。

災害現場という場所は何が起こるかわからない。
突如、倒壊物が襲い掛かってきたり、足場が崩れて転落する可能性も大きいわけだ。頭部に大きなダメージが加われば命に関わる結果となり、脳に障害を与える危険もある。災害現場であれば頭を打って意識を失っている間に要救助者の生命は危険に曝され、隊員自身も更なる悲劇に見舞われないとも限らない。
つまり、消防におけるヘルメットとは隊員はもとより、要救助者や仲間の命を結ぶ重要な存在であるといえる。ここでは世界の消防が使用する「消防ヘルメット」にスポットをあて、郷土を災害から守ってきた消防士たちの魂を伝えていく。



05|06 2020/FIRE RESCUE EMS vol.91

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