2017.07.03

消防車両紹介京都市,歴史,消防車両

消防の歴史を築いた懐かしの消防車両

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SPECIAL ISSUE CLASSIC FIRE ENGINE by KYOTO CITY FIRE DEPARTMENT

日本の消防車両は自治体消防発足以降、徐々にその台数やバリエーションが拡充していった。今日では多種多様な消防車両が人々の安全で安心な生活を守っているが、そのラインナップの原型が確立したのも自治体消防発足前後の時期といえる。しかし、消防史に残る当時の車両たちの姿は、今となってはなかなか目にすることはできない。ここでは京都市消防局に配備されていた車両を通し、消防車両の歴史を見ていこう。
 

南消防署

大型救急車

イスズBF-20
昭和48年12月20日配置(0892) イスズBF-20

名神高速道路南ICに近い南消防署に配置。昭和47年12月5日、濃霧で視程30メートル以下の気象条件下、路肩で停車していた乗用車に中型トラックが追突し、ついには24カ所に及ぶ波及的衝突事故が発生。51人の死傷者、96台の車両損傷の多発交通事故がきっかけで本救急車が配備された。
 

伏見消防署 南浜出張所

Ⅲ型化学消防車

三菱フソウ
昭昭和52年配置(1161)三菱フソウ

伏見区は酒造会社が多くあり、アルコール類の製造・取り扱いが多く、また南浜学区中書島には新日本理化(株)京都工場もあっての配置である。3%化学泡、耐アルコール用消火剤、水タンク、ホースリール2基などポンプ車機能をあわせ持つもの。市内のⅢ型化学消防車の配置は昭和41年3月からであった。
 

上京消防署

電源照明車

日野KR321
昭和50年12月24日配置 日野KR321

トラックシャーシにディーゼル発電機及び昇降3折パンタグラフ方式の照明灯をセットしている。照射距離100メートル、同幅25メートル、上方限界25メートルであった。
 

右京消防署 御室出張所

山林工作車(御室号)

日野KR321
昭和49年配置(809) イスズシャーシ

昭和48年7月16日右京区鳴滝宇多野谷で山林火災が発生。梅雨時期にもかかわらず延焼著しく、水利不便地でついには延べ7日間を費やしての消火作業となる。航空隊[京都市消防ヘリコプター:きょうと号(アエロ・スパシアルアルーエットⅡ型双ターボエンジン付)]のほか、延べ179両の消防車、多数の消防署員、団員の出動であった。これにより、市内の山間地の多い左京区修学院出張所、伏見区醍醐出張所に計3両を配置した。荷台にはゴムクローラ付積載車に可搬式動力ポンプ、放水用具一式を搭載して出動する。
 

中京消防署

2代目屈折先端バスケット付
15メートル級はしご車(自衛噴霧放水装置付)

三菱フソウ/森田ポンプ製
昭和52年配置(0451) 三菱フソウ/森田ポンプ製

初代は昭和37年9月7日イスズTX652で、大阪市消防局に次いで全国で2番目に配置され、京都大学薬学部や双ヶ岡中学校西校舎火災で消火効果を示した。
 

高発泡排煙車

イスズTX
昭和46年3月31日配置 イスズTX

空気泡を送り込んでの消火、排煙機付ダクトを伸長しての排煙の両機能を持つ車両。
 

30メートル級大型はしご車

日野TC30シャーシ/森田ポンプ製
昭和42年11月21日配置(0452) 日野TC30シャーシ/ 森田ポンプ製

昭和41年2月7日の下京消防署に次ぎ、市内で2台目の配置となった大型クラスのはしご車。当時はリフター(エレベーター)付の新はしご車に目を見張ったものである。昭和42年4月5日の中京区京都国際ホテルの昼間火災では下京大型はしご車、中京初代屈折はしご車が出動するなど高層ビル火災時代の幕開けでもあった。ドアのないダブルシートキャビン、ポンプを架装し、巻き吸水管、ダブルのアウトルガーなどとともに自衛噴霧放水装置付である。
 

大型放水砲車

ニッサンシャーシ
昭和53年製ニッサンシャーシ

かつて「銀龍」や「愛宕」のアメリカ陸軍車を改装した放水塔付大量放水消防車が廃車されて久しく空白があった。右京区内の映画撮影所オープンセットの夏季の火災で、大量高圧放水の必要に迫られ当局オリジナル設計で新造。65ミリメートルホース4口を集水し、リモートコントロールで距離100メートルの放水が可能。フロントガラス全面を覆う遮熱板がボンネットにセットされているとともに車体全面を自衛噴霧放水して輻射熱から守ることができる。ライオンズクラブの寄贈もあり「獅子号」の名もついていた。のちに右京消防署御室出張所に配置換えしている。
 

下京消防署

屈折放水塔車(ブレーク・スクアート)

三菱T810Jトラック・シャーシ
昭和48年12月10日配置(0751) 三菱T810Jトラック・シャーシ

放水装置を取り付けた尖棒が前後に動作することで建物外壁に孔をつくり、その孔へ向けて注水消火するもの。操作は地上運転員が行い、塔上は無人。1両のみの配置であった。
 

トヨタ救急車

昭和52年配置(0791)

当時市内には14の救急隊が配置されていた。なお、京都府で最初に救急隊を配置したのは昭和11年8月15日下消防署(旧下京消防署)であった。応急処置などが主力で、時代が高度救急対応を求めるのはまだ先のことである。


SUMMER 2017/FIRE RESCUE EMS vol.78
写真・文:宮脇健氏

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