2022.12.15

消防ヘルメット消防ヘルメットFIRE HELMET COLLECTION,消防ヘルメットコレクション

命の絆No.78 アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ノースクインシーボランティア消防本部

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命の絆 消防ヘルメット

消防ヘルメットコレクションNo.78

THE BOND OF BROTHERHOOD
助けを求める声があるならば、いかに過酷な災害現場であっても身を投じていく消防士たち。

時代や国境を超え、すべての消防人の心にある博愛の精神が彼らを突き動かす。隊という名の“家族”が、危険な現場で協力し合い“人命救助”という任務を成し遂げる。

「消防ヘルメット」はそんな彼らの活動を支え、危険から身を守る盾となってくれる。現場には要救助者、仲間、そして己の命をつなぐ博愛の絆があり、その象徴が消防ヘルメットといえるであろう。

 
命の絆No.78 アメリカ合衆国マサチューセッツ州ノースクインシーボランティア消防本部
EDブラード社ポリカーボネート製「ハードボイルド」ヘルメット

 
アメリカ合衆国北東部、マサチューセッツ州の大西洋岸にあるノーフォークカウンティ。その一角は1625年にイングランドから入植した移民により、この地にあった小高い丘の名からマウント・ウォラストと呼ばれていた。1792年にはクインシー町と定められ、1888年には市へと昇格し、大統領を輩出した自治体としても知られ“CITY OF PRESIDENTS”と称されている。

この地はネポンセット川河口に位置する湿地帯であり、なかでもクインシー北部のノース・クインシー地域はボストン乗馬クラブの練習場や造船所等限られた用途でしか利用されなかった。20世紀に入りアメリカ合衆国海軍の基地や乗組員、その家族の居住地として開発され、1970年代に海軍基地が撤退すると、東アジア系アメリカ人の居住地として急激な人口流入があった。それまで消防活動はボランティアに頼っていたが、1975年にクインシー市へ編入されると、ボランティア消防もクインシー消防本部へと統合された。1976年からボストン市を囲む34の自治体は「メトロ・ファイアデパートメント」として、消防相互応援体制で消防活動に臨んでいる。

現在のクインシー市の人口は9万4千人強で、消防は1本部1訓練施設、8消防署所の常勤職員205人で消防警備している。スペシャル・レスキュー活動はマサチューセッツ水上救助組織の下で出動態勢に組み込まれている。詳しい編成については下表をご参照いただきたい。

紹介するヘルメットはカリフォルニア州サンフランシスコのEDブラード社が1958年から生産したポリカーボネートの一体成型ヘルメット、「ハードボイルド」である。この濃赤色のヘルメットの特徴は、帽体頂部の3筋のコムであり、大ぶりな顔面保護シールドはヘルメットの中央部両脇にある支点から上下に動かすことができる。また、長い後庇は首頸部を保護している。帽体内のライナーは皮革製、ハンモックは繊維製だ。ヘルメット正面には横長でやや小ぶりな皮革製のフロントピースがついており、赤地色に白文字で「NQVFD(ノース・クインシー・ボランティア・ファイア・デパートメントの略称)」と表記されている。

このヘルメットは、アメリカの消防機関誌を発行するテキサス州ベイタウン市消防局長デイブ・ミラー氏からの依頼で「日本消防事情」を送稿した返礼に、1972年8月16日に贈られた。ノスタルジックで、いかにもアメリカらしさを感じさせるヘルメットである。

本部及び
第1消防署(セントラル)
ダウンタウンのクインシー・アベニュー
E1、L1、R1
本部車両はS21(ファイア・アラーム・メンテナンス車)、
C2(デュピーティ・チーフ車)、
C15(スペシャルオペレーション車)
第2消防署 ハンコックス・ストリート
E2、L5
第3消防署 クインシー・ポイント(ワシントンストリート)
E3、HAZ2
第4消防署 ウォラストン(ビール・ストリート)
E4、L2
第5消防署 ウェスト・クインシー(コープランド・ストリート)
E5、SS1(スペシャルサービス・ユニット
第6消防署 ハウスネック(シーストリート)
E6、SS2
第7消防署 スクアンタム(ハッキンズ・アベニュー)
E7
第8消防署 ジャーマンタウン(ドーン・ストリート)
E8
訓練施設 旧クインシー造船所跡地
E9、E10、E11、L6、L7、
H3テクニカル・レスキュー
M1メンテナンス・ユニット、M2サポート・ユニット

E=ポンプ車、L=はしご車、R=救助工作車、HAZ=危険物特殊災害対応
年間1万回以上の緊急通報に対応している。

PROLOGUE 災害現場で活動する隊員たちの姿で、ひときわ目を引く存在が「ヘルメット」である。
戦闘用の兜をルーツに持つヘルメットの目的は、衝撃から頭部を守り、直接的な負傷を防ぐことにあるが、国によりさまざまな特色を見せ、性能やそれにともなう形状、デザイン、用いられる素材は時代や環境とともに進化を遂げ続けている。消防で用いるヘルメットも、“災害”という敵から“消防士”という戦士を守るための“防具”であるといえる。

消防におけるヘルメットとは、要救助者や仲間の命を結ぶ重要な存在である。災害現場では突如倒壊物が襲い掛かってきたり、足場の崩れ、転落の危険に晒される。もし頭を打ち意識を失えば、要救助者の生命は守れない。隊員自身もさらなる悲劇に見舞われないとも限らない。消防ヘルメット一つひとつにはストーリーが宿っている。世界の消防が使用した「ヘルメット」から、郷土を災害から守ってきた消防士たちの魂を伝えていく。



期末号 2023/FIRE RESCUE EMS vol.106

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