2023.06.23

消防本部・消防署FIRE REPORT,北海道,札幌

FIRE REPORT #162 札幌市消防局白石消防署 白石特別救助隊

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最新の車両を駆り、要救助者の待つ現場へ!!札幌市消防局白石消防署 白石特別救助隊

2023年8月25日に第51回全国消防救助技術大会が開催される札幌市。市内中心部を流れる豊平川、そして東部の厚別川に挟まれた白石区を管轄するのが札幌市消防局白石消防署であり、白石特別救助隊はそこに配置される。隊員20名のうち16名が潜水士の国家資格を持つ、別名「白石水難救助隊」。常時3名以上が潜水救助員となる体制で日々勤務を続けている。

札幌市消防局では白石消防署と東消防署の特別救助隊が水難救助隊として、さらにこの2署に配置される水槽隊が水難救助消防隊として、計4隊の連携で水難救助事案に対応する。市内には急流河川の豊平川をはじめ大小約600の河川や湖があり、それぞれの事案に応じた装備や救助技術が求められる。

訓練は札幌市消防学校の水難救助訓練施設のほか、豊平川や石狩川、さっぽろ湖などでも行われ、厳寒期にはワカサギ釣りでの転落を想定した氷下検索の訓練も実際の河川で実施している。また海を使った北海道警察、海上保安庁、他自治体消防本部との合同訓練にも定期的に参加する。

「自隊に今何が必要か?」を常に考える

倉内 健次 水難救助隊長
札幌市消防局白石消防署
倉内 健次 水難救助隊長

災害現場は常に進行しているため、隊員一人ひとりの気づき・伝達・確認が不可欠です。それらの連携が安全管理に繋がり、タイミングを逸することのない最善の活動に結びついてきます。そのため日ごろから目配り・気配り・心配りを忘れず、躊躇なく一歩前へ出る救助隊をめざしています。
訓練では限られた時間のなかで最大の効果が得られることを優先しています。隊内で順番に想定を出させることで自隊のウィークポイントを常に意識させ、隊にとって一番必要な訓練を実施するようにしています。
開始前には訓練の主眼や目標を明確に伝え、終了後には全員で振り返りを行うことで、訓練内容の定着を図っています。

札幌市消防局 初のバスキャブ型救助車札幌市消防局 初のバスキャブ型救助車

通常の救助資機材に加え水難救助資機材も積載する必要性から、2022年3月にベースシャーシを大型としたバスキャブ型仕様の救助車に更新。積載する資機材も車両と同時に多くを入れ替えた。

ドライスーツ(流水・潜水)、PFD、防火衣、フルボディハーネス、感染防止衣など事案によって着装する装備の種類は多い。バスキャブ型仕様で一番のメリットは、出動途上に車内でこれら装備の着装が可能になったこと。これにより指令から出動までの時間短縮、迅速な活動開始が実現した。

潜水用ドライスーツを着装した隊員。ヘルメットを被った状態で立ち上がっても天井までまだ余裕がある。

後部キャビンへの乗降は基本的に左側から。扉は外への張り出しのない中折れ式で、冬季の転倒リスク軽減のためステップは低床になっている。

ゴムボート(アキレス社製FRB-380)は脱気した状態で収納する案もあったが、資機材庫のスペースを圧迫することから膨らませた状態でルーフ上に積載。車載クレーン・手動両方で積み下ろしを可能にしている。ルーフ上には縞板収納ボックスを増設し、さらなる水難救助資機材の積載に配慮した。

三連はしごは電動油圧式昇降装置をやめて手動式に。寒冷地ゆえに油圧の動作に時間がかかることがあったためで、メンテナンス面でも有利になった。同じ理由でシャッターも手動式。

クレーンは省スペース性に優れた三節屈曲式ローダークレーン(ヒアブ社製X Hiduo 082 B-2)2.9tを採用。展開と収納が半自動式となり、隊員の作業負荷軽減にも貢献している。

車体左側面の収納庫には、現着後迅速な使用が想定される通常の救助資機材が整然と格納されている。

バッテリー式の大型油圧救助器具(LUKAS EWシリーズ)は油分や砂の混じった水中でも使用可能で、水没した車両に対する救助活動にも用いられる。

右側面は水難救助用資機材のスペース。重量のある船外機(TOHATSU MFS20E)は展開式ラックに、空気ボンベと組んだ状態のBCジャケットは引き出し式ラックに積載し、取り出しを容易にしている。

ウインチはワイヤー収納ドラムを車体下部へ移すことにより、車体前方への張り出しが少なくなっている。

札幌市消防局、地元開催に向けて切磋琢磨中!

第51回全国消防救助技術大会は札幌市での開催。陸上の部は札幌市消防学校、水上の部は札幌市平岸プールが会場となる。

17年ぶりの地元開催ということで、当然、出場をめざす隊員たちの熱は上がる。厳しい冬が終わり、ようやく屋外での訓練が開始された研さんの場では、ハードな勤務の合間を縫って自らを追い込む熱い姿が見られた。

札幌市消防局公式キャラクター「かさいまもり」がナビゲートするバーチャルスクール

札幌市消防局では、消防について広く市民に知ってもらうため、VR技術を活用した新たな広報活動への取り組みを開始した。公開された「札幌市消防局バーチャルスクール」は360度の隊員目線で災害活動を疑似体験できるVR動画をはじめ3種の動画コンテンツで構成され、市民からも好評を博している。
ナビゲーター役の札幌市消防局公式キャラクター「かさいまもり」は、今後もSNS等を通じたさらなる活躍が期待されている。

消防科学研究所

第51回全国消防救助技術大会陸上の部の会場となる札幌市消防学校の一角に消防科学研究所が設けられている。設立は1993年。積雪寒冷となる北海道特有の気候風土のなかで市民の安全な暮らしを守り、消防隊員の活動性・安全性向上を図るためのさまざまな実験や研究が行われている。

消防救助技術大会の際には一般見学の受け入れも実施される予定。建物前に駐車中の車両は全国的にも珍しい研究所に配置されている車両。収集された情報は科学的知見に基づいて現場活動に生かされる。

建物の構造を模し、バックドラフトなどの再現実験を行える装置。耐熱ガラス張りで燃焼の様子を目視で観察できる。研究所ではメーカーと共同で新しい資機材や装備品の開発も行っている。

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