2020.08.27

消防活動・訓練・その他活動ロープレスキュー ここが知りたい,救助訓練

【第1回 フルハーネスを使おう!】
〜連載企画 ROPE RESCUE COLUMN ロープレスキュー ここが知りたい!〜

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連載企画 ロープレスキューコラム

皆さんご存知のことと思いますが平成31年2月1日より、「高さ2m以上」で「作業床がない箇所」、「作業床の端、開口部等で囲い・手すり等の設置が困難な箇所の作業」では、フルハーネス型墜落制止用器具(以下フルハーネス)が原則となりました。訓練はもちろん、現場活動でも法令に準拠した活動が求められるわけですが、条文を読んだり講習を受けただけでは、いまひとつ参考にならない方も多いのではないでしょうか。
記念すべき第1回目のロープレスキューコラムでは、消防・救助活動でのフルハーネスの導入について解説したいと思います。

Q

消防職員に関係あるの?

A

はい。

消防職員を含む地方公務員が労働安全衛生法のさす「労働者」であることは文書で示されています。

Q

訓練でも必要になるの?

A

はい。

法令では「フルハーネス型では地面に到達する恐れのある場合(ただし6.75m未満)」に限り、胴ベルト型の使用を容認していますが、多くの訓練棟は7m以上の高さがあります。
宮崎市消防隊員事件判決(宮崎地判 昭和57年3月30日)では、

  • 消防隊員などの危難(火災や災害など)に立ち向かう義務のある者は、危難に直面した場合に自己の身を守るための安全配慮義務を強く求めることはできない
  • しかし訓練や演習など、そういった危難から離れれば離れるほど安全配慮義務は強くなる
  • 職員が現場において臨機の行動をとりその職務をまっとうできるよう、組織は十分な安全配慮をなした訓練を常日ごろ実施すべき義務がある

としています。
高所・低所救助だけでなく、さまざまな訓練時にも適切な安全対策が必要ですし、災害現場でより高いレベルで活動するための訓練が要求されています。

Q

火災現場でもフルハーネスは必要?

A

状況によるでしょう。

防火衣の上からフルハーネスを着用すると、体動の制限や圧迫(空気層が潰れる)による断熱性の低下、空気呼吸器との干渉が想定されます。これらは火災現場では死活問題です。さらに、火災現場で自己確保をとる支点が得られるのか?落下して宙吊りになったとして、それは安全なのか?緊急退避の妨げにならないか?など、リスクの高い懸念があります。ガイドラインでは「伐採など」の「墜落制止用器具を使用することが著しく困難な場合」には代替措置を認めています。作業の種別ではなく具体的な内容・状況によるでしょう。また、前述の通り法令では6.75m未満では胴ベルトの使用が容認されます。3連梯子を架梯した場合、先端部の高さは8.44mとなります。だいたいの隊員は、梯子の中に収まっていればセーフです。3階の高さではオーバーするかもしれませんが、通常は屋内やベランダで活動するので問題にはならないでしょう。ちなみに、梯子の昇り降りは法令の対象になりませんが、梯子の上で作業(例:破壊や放水)をする場合は対象となります。

Q

梯子車では?

A

高所作業車のバスケットは作業床とみなされる(労働局見解)ため特別教育は不要です。ただし、墜落制止用器具の義務はあります(安衛則第194条の22)。

梯子車は法令上の高所作業車ではありませんが、当然、類似する構造・用途のものですので、準ずるものと考えるのが妥当かと思います。もし「法令上は別なんだから無関係!」ということにすると、作業床ともみなされないので、特別教育も必須になってしまうかもしれません。

まとめ

胴ベルトには十分な安全性がないことからフルハーネスが義務化されました。少し前に、シートベルトや飲酒運転が厳しくなったのと同様です。「いかにフルハーネスを回避するか」ではなく「いかにフルハーネスを使いこなせるか」を考えて訓練していくことが大切です。
前述の通り、フルハーネスを使わないことが安全につながる場合もあります。法令を前提に、現場や任務の内容でリスクを見積もり、バランス感ある運用をめざしましょう。

大西 隆介(おおにし りゅうすけ)
1987年生まれ。大学時代に公共政策を学び、部活では登山やクライミングに没頭した経験からロープレスキューの世界へ。日本の労働安全法令や消防組織に適した救助技術を研究している。救助大会「縄救」や「日台消防交流会」などのイベントも主宰。

office-R2 ロープレスキュー講習主に11mmロープと欧米の資器材を用いた「目的としてではなく救助の手段としてのロープレスキュー」技術講習。レベル1~2講習は基礎的な技術と知識のほか、国内法令や安全管理について学ぶ。受講者には「ロープ高所作業」「フルハーネス」の特別教育修了証が交付される。
講習などの情報はHP、facebook、Instagramなどで随時CHECK!

お問い合わせ090-3989-8502
ホームページhttps://r2roperescueropeacce.wixsite.com/office-r2

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